2008/06/15
税理士 湊 義和

延滞税の計算方法


Q:修正申告等を行う場合の延滞税の計算方法は?
ポイント
①延滞税は、納期限を基準に考えます。
②通常は、納期限から2ヶ月までに納付する場合は税率が低く、2ヶ月を超えると税率が高くなります。
③ただし、修正申告の場合には、修正申告書を提出する日までは低い税率で延滞税が計算されます。
④つまり、修正申告書の提出日から2ヶ月を超えると高くなります。
⑤又重加算税が課されなければ、延滞税は1年以上は課税されません。

解説

Ⅰ 基本的な計算構造

延滞税は、納期限までに税金を納付をしなかった場合、ペナルティとして課されるものです。
税率は、延滞している期間に応じ、以下のようになっています。(国税通則法60条)


(1)納期限までの期間」又は「納期限から2か月を経過するまでの期間」
年7.3%(国税通則法60条)
この「納期限までの期間」とは、下記Ⅲ、Ⅳの図のように、当初申告の法定納期限から、修正申告書の提出や更生等によって生じた「新しい納期限」までの期間を言います。ただし、以下の延滞税を軽減する特例があります。(措法94条)
①平成26年1月1日以後の期間
年7.3%と「特例基準割合(注1)+1%」のいずれか低い割合となります。具体的には以下の通りです。
・平成31年1月1日から令和元年12月31日までの期間は、年2.6%
・平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は、年2.6%
・平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間は、年2.7%
・平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年2.8%
・平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年2.9%
②平成25年12月31日以前の期間
前年11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」となります。具体的には以下の通りです。
・平成22年1月1日から平成25年12月31日までの期間は、年4.3%
・平成21年1月1日から平成21年12月31日までの期間は、年4.5%
・平成20年1月1日から平成20年12月31日までの期間は、年4.7%
・平成19年1月1日から平成19年12月31日までの期間は、年4.4%
・平成14年1月1日から平成18年12月31日までの期間は、年4.1%
・平成12年1月1日から平成13年12月31日までの期間は、年4.5%
(注1)「特例基準割合」とは、「各年の前々年の十月から前年の九月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を十二で除して計算した割合(当該割合に0.1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として各年の前年の十二月十五日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合を言います。(措法93条)

(2)納期限から2月を経過した後の期間
年14.6%(国税通則法60条)
ただし、以下の特例があります。(措法94条)
①平成26年1月1日以後の期間
年14.6%と「特例基準割合(注1)+7.3%」のいずれか低い割合となります。具体的には以下の通りです。
・平成31年1月1日から令和元年12月31日までの期間は、年8.9%
・平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は、年8.9%
・平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間は、年9.0%
・平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年9.1%
・平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年9.2%
②平成25年12月31日以前の期間
特例なし。よって、14.6%

Ⅱ 具体的な計算ルール

○ 計算式は次のようになります。


Ⅲ 修正申告の場合の特例(国税通則法61条)


Ⅳ 更正の場合の特例(国税通則法61条)




※ 更正の場合には、延滞税の免除期間が更正決定日までとなります。更正の場合の納期限は、更正通知書が発せられた日の翌日から1月を経過する日までとなります。(国税通則法35条)この期間の延滞税の割合は、7.3%又は軽減税率となりますが、実際には交渉により更正決定日後すぐに納付を行うことなります。

Ⅴ 具体的な計算例

A社は、税務調査を受け、平成27年3月期の法人税について修正申告書を提出することとした。平成27年3月期の修正法人税額は、3,152,100円で、当初申告書は期限内にきちんと提出していた。 修正申告書は、平成28年9月30日に提出し、同日修正法人税額は完納した。なお、今回の調査で、A社の修正内容には重加算税処分を受ける内容は無かった。

1 延滞税の免除期間特例が受けられるかを確認する。
A社は、重加算税の処分を受けていない。したがって、延滞税の免除期間がある。

2 延滞税の免除期間を計算する。
免除期間は、延滞税が課される起算日から1年を超えた日から、修正申告書提出日までとなっている。
①今回は、平成27年3月決算なので、法定納期限は、平成27年5月31日
②法定納期限から1年を経過する日  平成28年5月31日
③延滞税の免除期間は、平成28年6月1日から平成28年9月30日となる。

3 延滞税を計算する。
①延滞税率は、特例割合である2.8%となる。
②延滞税の計算期間は、平成27年6月1日~平成28年5月31日の1年間。
③延滞税を計算する。

本税の額=3,152,100円=3,150,000円(1万円未満を切り捨てます)
∴ 3,150,000円×2.8%=88,200円(100円未満切捨てます)
答 88,200円

以上

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