2009/12/07
税理士 湊 義和

平成21年12月4日に施行された中小企業円滑化法について


Q:12月4日に施行された「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(中小企業金融円滑化法)について教えてください。
ポイント
①中小企業の借入金と住宅ローンが対象となります。                      
②借入金の返済猶予ではなく、借入金の条件変更となります。
③この条件変更に対し金融機関は、できる限り、条件変更に対応するように求められております。(努力義務)
④円滑化法による条件変更がなされた債権については、金融機関において要注意債権から正常債権として取り扱われます。(金融検査マニュアル別冊)                      
⑤あくまで条件変更ですので金融機関との交渉が必要となります。
⑥対象者は、原則として資本金3億円以下又は従業員300人以下の中小企業となります。(卸売業、小売業及びサービス業は別途条件が定められています。                      

解説

1.概要

平成21年12月4日に「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」が施行されました。この法律は、最近の経済状況及び雇用状況における中小企業者や住宅ローン借入者の負担状況に照らし、中小企業者の事業活動や雇用の安定及び住宅ローン借入者の生活の安定を期し、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。(第1条)                       
世間では、モラトリアム(債務返済の一時猶予)法案と言われておりましたが正しくは、借入条件の変更となります。金融機関は、この法律により中小企業者や住宅ローン借入者の条件変更に前向きに対応するよう求められています。

金融機関の努力義務
・金融機関は、中小企業又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、信用保証協会や政府系金融機関等と連携を図りつつできる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるように努めるようになります。(第4条)
・金融機関は、6ヶ月以内に監督官庁へ条件変更の対応状況を報告しなければなりません。(第8条)

上記により金融機関は条件変更に前向きに対応するように期待されています。

2.対象金融機関

銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農協・漁協及びその連合会、農林中金など
(第2条)
※商工中金、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫等の政府系金融機関は除外されています。

3.対象者

下記の区分にあてはまる法人又は個人及び住宅ローンの借入者が対象となります。

(注) 協同組合等や医業を主たる事業とする法人にあっては特別な判定があります。(第2条)

4.適用期限

平成23年3月31日までの時限立法となってます。(附則第2条

5.第二次補正予算案に盛り込まれる追加経済対策の主な内容

政府により2009年度第二次補正予算に盛り込まれる追加経済対策の枠組みが固まりました。

※これらの内容は、平成21年12月3日現在の情報です。詳しい情報は、12月中に発表されることと思われます。

以上

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