2012/12/07
税理士 湊 義和
復興特別所得税(源泉徴収関係)
平成23年12月2日に「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(復興財源確保法)が公布されました。これにより増税となる税目や時期などは以下のとおりです。
(詳細は「Q東日本大震災復興増税とH23年度追加改正について」をご参照下さい)
※法人税は、同時期より4.5%(中小企業の特例では3%)税率の引き下げが施行されます。これは国際競争力の強化を目的とした引き下げです。
復興特別所得税については、上表のとおり、2013(H25)年1月1日以後に生ずる所得について課されますので、源泉徴収義務者は、源泉所得税の徴収の際に復興特別所得税(2.1%)を併せて徴収し、その合計額を1枚の納付書により納付する義務があります。
源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は、以下により算出します。
支払金額等×合計税率%(所得税率%×102.1%)=源泉徴収税額(円未満切捨)
(1)講演料105,000円(消費税込)を支払う場合の支払金額
①施行前 105,000-(100,000×10%=10,000)=95,000
②施行後 105,000-(100,000×10%×102.1%=10,210)=94,790
(2)講演料100,000円(消費税・源泉所得税控除後)を支払う場合のグロスアップの計算
①施行前 100,000÷95%(105%-10%)=105,263
105,263×105%=110,526
110,526-(105,263×10%=10,526(円未満切捨))=100,000
②施行後 100,000÷94.79%(105%-10%×102.1%)=105,496
105,496×105%=110,771
110,771-(105,496×10%×102.1%=10,771(円未満切捨))=100,000
(3)原稿料1,333,333円(消費税抜)を支払う場合
①施行前 1,333,333-(1,000,000×10%+333,333×20%=166,666(円未満切捨))=1,166,667
②施行後 1,333,333-(1,000,000×10%×102.1%+333,333×20%×102.1%=170,166(円未満切捨))=1,163,167
取引先からの請求書において、源泉所得税の計算が復興特別所得税が上乗せされている徴収となっているかどうか、確認が必要となります。復興特別所得税は平成25年1月1日以後に生ずる所得より適用となるため、平成24年12月分の請求書を平成25年になってから支払う際に、復興特別所得税は徴収する必要はありません。
「平成25年分 源泉徴収税額表」は復興特別所得税を含んだ税額表となっているため、この表を使用して給与の源泉所得税を計算されている場合には、平成25年分を使用するように注意が必要です。また、給与の締切日が、例えば月末〆で翌月10日に支払いとされている場合、H24年12月分はH25年1月10日に支給となります。この場合、支給日がその給与の収入すべき時期とされているため、復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
租税条約の規定により、国内法(所得税及び租税特別措置法)に規定する税率以下の限度税率が適用される場合には、復興特別所得税は課されません。
以上
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