2017/12/25
税理士 湊 義和

Q2 遺言書がある場合と無い場合の違いを教えてください。

ポイント

1.遺言書がある場合には、その遺言書に書いてあることが優先します。
2.遺言書には、3つの種類があります。その特徴を知っておいてください。
3.遺言書は、いきなり開封してはいけない場合があります。
4.遺留分を侵害されている場合には、慎重な対応が必要です。

解説
1.遺言書があれば、その内容が最優先されます

2.遺言書には、3種類あります

遺言書には、次の3つの種類がありますので、まずタイプの遺言書であるかを確認してください。

①自筆証書遺言書
遺言を残す人が、自らの手で作成したものをいいます。自筆証書遺言書が有効となるための要件は、以下の3つです。この3つは、すべて満たす必要がありますので、どれか一つでも該当しないものがあれば、その遺言書は無効となってしまいますので、要件を満たしているかが重要です。
A タイトルを含め、すべての文字を手書きすること(パソコンで書くと無効になるので注意です!)
B 作成した年月日を手書きすること。(平成19年10月吉日は、不可です)
C 最後に署名(手で名前を書くこと)及び押印(実印でなくても可ですが、できれば実印で)をすること。

②公正証書遺言書
最も利用されている遺言の残し方です。この方法で遺言書を残す場合には、遺言書を残したい人と、証人2人の合計3人で、公証人役場に出向いて作成します。この遺言書の場合には、原本が公証役場に保管されています。ご自宅には、その正本又は謄本があるかと思います。もし、ご自宅に正本も謄本もないが、公正証書遺言書を作成していると思われる場合には、最寄の公証役場にて、コンピューターにて検索をして確認することができます。

③秘密証書遺言書
遺言者が作成した遺言書(この場合には、ワープロでの作成も有効です)を封書に入れ、封印したもので、これを生前に証人2人の立会で公証役場にて、秘密証書遺言書であることを確認したものをいいます。この遺言書は、原本がご自宅にあります。遺言書の裏に、ご本人、公証人、証人2名の合計4名の署名、押印があるはずです。これは、この遺言書を有効とするためには、自分で作成した後に、証人2名と一緒に公証人役場に行って、確認を取る必要があるからです。

3.遺言書はすぐに開封しないでください。


自筆証書遺言書と、秘密証書遺言書の場合には、ご自宅で勝手に開封してはいけません。必ず、開封前に、最寄に家庭裁判所へ持参して、相続人全員に呼出状を発送した上で、その遺言書を検認するための検認手続きをしなければなりません。ただし、この検認手続きとは、どのような遺言書があるかを記録するものなので、仮に検認手続をしないで開封してしまっていたとしても、遺言書が無効になることはありませんが、過料が課されます。なお、公正証書遺言書の場合には、この検認手続きは必要ありません。

4.遺留分のチェックが必要です。

①相続人には、どんな遺言書があったとしても最低限相続財産を取得できる権利が残されています。これを遺留分といいます。
②遺言書が有効である場合には、遺言書通りに分けるのですが、中には、相続人に全く財産が分割されない遺言書など、残された相続人に著しく不利な遺言書が作成されることもあります。
③このような場合に、相続人の権利を保護するために設けられている制度です。
④遺留分は、以下のフローチャートにて確認します。

⑥遺留分の対象となる相続財産
基本的には、今回亡くなった方の純資産(プラスの財産-債務等のマイナスの財産)を基礎に計算をします。
⑦遺留分が侵害されている場合には、どうすればよいですか?
 例外はありますが、亡くなった日から1年以内に、遺言で取得した者に対して、「遺留分の減殺請求」を行なうことにより、財産の取り戻しを行ないます。この1年以内に請求したことが重要なので、内容証明郵便等により請求します。これは、相続人間でも起こりえます。もし、遺留分を下回る相続人がいた場合で、遺留分の主張が考えられる場合には、たとえ遺言書があってその通りに分けたとしても、この遺留分に相当する金額の調整をしないと相続の手続きが終わりません。


以上

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